会報　61号 02.06.15 「改宗か」か「救出か」 ひとりぐらしの 老人日記 聖書の名句・名言 声 声２ 目次へ戻る

「心が腐ってしまって真理を失った人々、 すなわち神信仰を金もうけの手段としか考えない人々の間には、 果てしないいがみ合いが生じるのである.(１テモテ６：５）」 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　　　大阪・蛍池聖書教会　若狭　正一　牧師 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（１９９９年１２月）

警視庁と静岡県警は、宗教法人「法の華三方行」を詐欺容疑で、全国７４ヵ所を家宅捜査した。　 治す術もないのに、多額のお金を取って、という容疑である。 直接には３人から２２００万円を詐取したというのであるが、別に１１００人が５４億円を詐取されたとの、 訴訟を起こしている。 　「法の華」は１９８０年に、代表者福永法源によって創設された。 難病で苦しんでいる人を足裏診断して、ガンなどとおどし、４泊５日の研修会に出席すれば 治ると出席をすすめる。 その研修費は何と２２０万円である。 　ちなみに教団本部のある静岡県から１９８７年に宗教法人の認可を受けている。 　先に問題視された「ライフスペース」も、同様なものであろう。 　ミイラ状態で発見された小林さんも、医師が制止したのに病院から連れ出されていた。 すでに代表の高橋氏に８００万円を渡していたと言う。 　福永氏は持論を＜天声＞といい、高橋氏は＜定説＞と言うのもどこか似通っている。 　「法の華」は研修会費等で、６１０億円を集めているとも言う。 　宗教の是非を量る一つに、金銭の問題ある。苦しんでいる人達から、多額のものを 出させるのはおかしい。 　それで福永代表は家賃２００万円の豪華マンションに住み、月に何日かは１泊２０万円 のホテルのスィートルームに家族と泊まるというが、これも＜天声＞によると言っている。 　どの宗教でも伝道のために建物や、テキストも人材も必要ではある。 　しかし信仰そのものに金額を付けるのは、宗教から逸脱している。 イエスは弟子たちを伝道に遣わすに、 「・・・あなたがたは、ただで受けたのだから、ただで与えなさい」（マタイ１０：８）と教えている。 　人を真に救うものは、無代価で提供されるべきである。