会報 61号

02.06.15


「改宗か」か「救出か」

ひとりぐらしの
老人日記


聖書の名句・名言



声2

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「エホバの証人」体験を乗り越えて

  「エホバの証人」体験を乗り越えて

 「エホバの証人」は長く、深くかかわるほどやめられません。
 エホバの証人だった当時の私(34才・主婦)は、自分の中でたくさん疑問点や矛盾を抱え込んでも、それを無理やり組織の考え方で納得しようと努力していました。
エホバの証人の人たちはそんな疑問は絶対もたないようにマインドコントロールされているのです。
 やめるということは精神的に立ち上がれないほどの自己否定になってしまうからです。
これまでの私の人生ってなんだったんだろう、仲間たちは、そんな私を卑怯で情けない人間と見るだろうって。
 そんな恐怖感から無意識に逃げて気がつかないようにしているのが人間の弱さ、人間の悲しい習性だと思います。でも今は、私のように、目が覚めてくれる人がひとりでも増えるといいと思っています。
 わたしはエホバの証人をやめてから、自分の生き方について考え直し、一度しかない人生を悔いなく生きるために、若い時の夢だった教員を再度目指しました。
 教員の採用試験に合格し、今年から新任教師として働くことになりました。
 周囲はこの歳での再起に驚いていますが、一度修羅場をくぐりぬけて生まれ変わった人間は、すごいパワーを持っているんだと、自分でも驚いています。でも、エホバの証人の頃に聖書研究や奉仕にあてていた時間を試験勉強にあてただけなんです。教員を目指す勉強は、無理やりものみの塔の教理を納得させられるための勉強とは違い楽しい勉強でしたから、すいすい頭に入って難関も突破できました。今は自分の意思で行動し、あれこれ悩みはつきませんが、一度しかない大切な人生を思いっきり楽しんでいます。
 神は、人に、考える力や自分の考えで選択する自由意思をわざわざ与えてくださっています。他の意思で働くロボットのような人間の信仰心を絶対に期待されていないと思います。
 信仰というのは、意味のない規則を守ることや機械的に奉仕時間を費やしてあらわれる目に見えるものでは計れない、もっと内面的なものだと思います。
 エホバの証人をやめて、夫にも、悲しいつらい思いをさせないですみました。
 そして、何よりだれより大切なわが子を自分の手で不幸にしなくてすみました。
私の一度しかない人生を無駄にしなくてすみました。

                     エホバの証人「引き裂かれた家族」
                                林 俊宏著より