カルト最新情報(2002/09)

＊詳細はまだ、明らかになっていませんが、ものみの塔聖書冊子協会の日本支部の元
監督である本間年雄氏が、排斥処分を受けたようです。排斥の理由については確かな
情報はありませんが、一つの説によると、本間氏は寄付で集まった協会の大量の資金
を株式投資に回して利益をあげていたけれども、株価の暴落と共に組織に多額の損害
をもたらした、ということです。
　１９８０年に、アメリカ本部の統治体の成員だったレイモンド・フランズ氏が組織
から追い出されて、大きな波紋を起こしましたが、今回の支部の元監督の排斥は、日
本のエホバの証人にとっては、それに匹敵するくらいの衝撃になるはずです。
＊去る５月２８日に、アメリカのＮＢＣ放送は、エホバの証人の間に蔓延する児童性
的虐待の問題を、３０分のニュースドキュメンタリーの形でアメリカ全土に放映しま
した。番組の中で、数人のエホバの証人の被害者だけでなく、現役の長老や、ブルッ
クリン本部で全国の会衆の記録を保管する人間までがインタビューに応えています。
　
　彼らの証言により、組織がこれまで、どんなに犯罪者をかくまってきたか、またそ
の結果、被害者がどんなに増えてきたかが明らかにされています。
　
＊今、『真理』に掲載中の『霊的識別力』の記事が本として、いのちのことば社より
出版されることに決まりました。１１月から販売の予定ですが、９月から８回にわ
たって、本の抜粋記事が『クリスチャン新聞』に載ることになっています。
　本のタイトルは、『教会がカルト化した時・・聖書による識別力を養う』というこ
とです。この本の出版が、日本のキリスト教界の中で、かなり論議を呼び起こすと予
想しています。
　また、様々な攻撃もあるかもしれませんが、教会が自らを吟味しながらカルト問題
に直面し、身を正すきっかけとなればと祈っています。
＊７月２０日に、第２回『傷んだ葦の会・・元エホバの証人の集い』埼玉県所沢市の
カルト研究リハビリ・センターにおいて開かれました。元証人のセルフ・イメージの
問題や、地上の楽園に関する話し合いの後、交わりの時が持たれましたが、特に、一
人の元長老の体験談が皆さんの注目を集めました。　
　２０年ほど前に、弁護士になるべく勉強していたＩさんはやがて、ものみの塔協会
の教理を受け入れて、弁護士になる夢を捨て、伝道者となります。また、更に数年後
に長老に任命されますが、そこで精神的に苦しむことになります。どんなに疲れてい
ても、笑顔を絶やしてはならない。常に模範的なエホバの証人を演技し、他の信者た
ちを励まさなければならない。その精神的なストレスの中で、Ｉさんは段々と、心が
病むようになり、そのうちに精神科に通わざるを得なくなってしまいます。
　しかし、状態は一向に良くなりません。８年間、病気との孤独な戦いが続きました
が、ものみの塔から離れない限り、病気が治らないと判断したＩさんは、ついに、正
式に脱会届を出したのです。今、少しずつ、元気を取り戻していますが、深刻な問題
として直面しているのは、就職の問題です。　３０年代、４０年代を組織のために費
やした彼は、できる仕事がごく限られているようです。
　『傷んだ葦の会』の次の会合は９月１６日(月曜日、午前１０時半〜)で、２つの
テーマ(「信仰とわざの関係」、「子育ての問題」)について話し合われる予定です。　

＊　２００３年、日本においてものみの塔の国際大会が開かれるそうな。全世界から

エホバの証人が来日。主要会場と同時中継で各地で参加できる計画が発表された。

　語学の壁、音響、宿舎の確保など組織だった運営をするものみの塔にとれば朝飯前

のごとく準備がすすむことだろう。宿舎や利用する交通機関でのマナーについても細

かいところまで教育する。貸す会場や周囲の反応はすこぶる良い。

　確かに外面はものみの塔の信者の振る舞い方がキリスト教会よりはるかに紳士淑女

であろう。さて神様が生きておられることを証しするのはどちらだろうか。

　６月３０日に閉幕したサッカー・ワールドカップ(Ｗ杯)日韓大会で韓国はアジアで

初めてベスト４まで進出。「第二歴代１４章１１節を読み、神様が弱い私たちと共に

いると確信した」と韓国のイ・ヨンピョウ選手は国民日報のインタビューに答えた。

「弱いときにこそ、私たちは強い」と告白できる恵みを感謝したい。

■日本のエホバの証人伝道者数　２１７,９１８人　(２００２年５月現在）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「目薬」誌

　夏季号
（truth　９月号）