カルト最新情報

カルト最新情報(2004/5/15)

■ホームオブハートを告発　弁護士ら　児童福祉法違反容疑など

　自己啓発セミナーを開催していた「ホームオブハート」（本社・栃木県那須町）の関連施設で集団生活をしていた子供たちが児童相談所に一時保護された問題で、紀藤正樹弁護士らは１６日、同社と、関連施設を事務所にしている元ロックバンドメンバーなど計二社四人を、児童福祉法と労働基準法違反の疑いで黒磯署に告発した。
　告発状によると、ホームオブハートなどは今月七日までの間、暴力や暴言を伴うどう喝などにより子供たちの意思を自由にできる状況にして、四人の子供にセミナーの手伝いや食事の用意をさせた。
　また、１６歳未満の四人の子供にセミナー参加者向けの食事の調理やコンサート会場での販売活動などの労働をさせた。
　ホームオブハートの会長は「告発されるような事実はまったくない」と話している。
　　　　　　　　　　　（読売新聞　４/１６付）

■Toshiに告発状　自己啓発セミナーで児童福祉法違反と紀藤弁護士

　元X　JAPANのToshi（本名出山利三＝３８）が広告塔の役割を果たしている自己啓発セミナー団体「ホームオブハート」の関係施設で子供５人が一時保護された問題で紀藤弁護士らが１６日、児童福祉法違反と労働基準法違反（１５歳未満の児童の使用禁止）にあたるとして、栃木県警黒磯署に告発状を提出。
　告発されたのは、Toshiや団体の実質的代表者である元アイドル歌手MASAYAこと倉渕透氏ら。都内で会見を行った紀藤弁護士によると、子供たちは学校に通えず、外部と隔離された。またコンサートチケット販売などの営業活動にも従事させられていたという。
　これに対しToshiは公式HPで「陰謀」と反論。Toshiの代理人は「告発された事実は誤解に基づくもの」と主張している。　　　　　　　　　　　　　（日刊スポーツ　４/１７付）

■裁判所もやるもんだ

　小泉首相は「わからない」を１６回も繰り返したという。本当にわからない人だなあ。首相の靖国神社参拝について福岡地裁が明確に「参拝は公式的なものであって、憲法で禁止されている宗教活動にあたる」と禁じた判決について首相は「ほかの神社はよくて、どうして靖国だけが咎められるのかわからない、わからない」と繰り返したという。
　それにしても、小気味のいい判決だった。これまで靖国をめぐる裁判は全国各地で起こされているが、一部の裁判所では、原告に訴訟を提起する資格がないとして門前払いを食わせたり、裁判になったとしても、肝心の憲法判断は避けて、請求の正当性だけを論じるケースが目についた。
　一国の首相の行動にまで踏み込むことで、自らの裁判官の地位を危うくしたくないという保身の匂いがただよっていたのだ。これに対して福岡地裁の亀川清長裁判長は「裁判所が判断を回避すれば、今後も同様の行為がなされる可能性が高く、違憲性を判断することが、自らの責務」と、正面から靖国問題にぶつかったのだ。
しかも「今後も同様の行為がなされる可能性が高く」とまで言っているということは、放っておくと、このまま悪さをつづけてしまう。ここでキッパリと小泉さんに靖国参拝はやめさせなければならないという裁判所の並々ならぬ決意があったのだ。
　そうした上で、国と首相に求められていた１０万円の損害賠償については心憎いことに「払わなくていい」としたのだから首相側に控訴する理由はない。「靖国に行っちゃダメ」の判決が確定するのだ。裁判所もやるもんだねえ。
　これまで「靖国のことで他国にガタガタ言われることはない」と言ってきた小泉さん。今度は「自国にガタガタ言われることはない」と言って靖国参拝を続けるのだろうか。あんたどこの国の首相だったっけ？　　　　　　　（大谷　昭宏）
　　　　　　　　　　　　　　　（赤旗　４/１８付）

■白装束代表に求刑１年６月

　白装束団体「パナウェーブ研究所」によるペーパー車検事件で、虚偽有印公文書作成などの罪に問われた団体代表の長谷川邦男（５１）、メンバーの河内友生（５２）両被告と、民間車検場、谷口自動車工業（福井市）の検査員、川村庄次郎被告（５７）の初公判が、福井地裁（久保豊裁判長）で開かれ、３被告とも起訴事実を認めた。検察側は懲役１年６月を求刑。弁護側は「反省している」として執行猶予を求め結審した。判決は５月２５日。
　　　　　　　　　　　　　　　（日刊スポーツ　４/２４付）

■秘蔵写真で綴るカリスマの「洗脳報道」「ドサ回り」

　　TOSHI（元「X JAPAN」）　“児童虐待疑惑”で迎えた「崖っ縁」　
　生ギター一本で絶頂を極めたビジュアル系ロックバンド「X-JAPAN」のボーカル・TOSHI（３８）。彼が“洗脳報道”で世間を騒がせたのは’９８年のこと。それから５年あまり、彼の“洗脳”は解けるどころか、ますます混迷を極めていたー。
　４月７日、栃木県北児童相談所は、『ホームオブハート』が拠点を置く那須町の別荘と黒磯市のアパートで、幼児や児童５人を保護した。「育児放棄」や「労働の強制」、登校を含む「外出制限」といった虐待が行われているとの通報に基づいて立ち入り検査をし、一時保護したものだ。子供たちに目立った外傷こそなかったが、２歳の男児は約1ｍ四方のダンボールはこの中で育てられていたという。この「ホームオブハート」こそ、ＴＯＳＨＩを洗脳したとされるＭＡＳＡＹＡこと倉渕透氏が主宰していた「レムリアアイランド」の現在の団体名なのである。ＴＯＳＨＩも当然、「ホームオブハート」に深く関わっており、今回、矢面に立たされている。　　
　　
　ＴＯＳＨＩの事務所『トシオフィス』の元スタッフ、山本ゆかり氏はこう語る。
「ＭＡＳＡＹＡとＴＯＳＨＩは完全に主従関係。ＭＡＳＡＹＡを始め、スタッフやＴＯＳＨＩも『トシオフィス』を「アゴ事務所」と呼んでいるくらいです。彼はよく『’９８年の洗脳騒動でＭＡＳＡＹＡと“ホームオブハート”に損害を与えてしまった、返さなければならない』と言っていました。だからＴＯＳＨＩは多い日には一日に６～７ヶ所の福祉施設を訪問して、ミニライブするんです。ボランティア慰問と称していますが、目的は彼自身も“タネ蒔きと刈り取り”と裏で言うように、“資金集め”と“勧誘”です。
慰問先ではＣＤが２０～３０枚売れますが、収益は次のライブの交通費や事務所の運営費などを除いて、ほとんどが『ホームオブハート』に支払われます。さらにライブではアンケートをとり、悩みがあるような人に、手紙や電話で、『ホームオブハート』の自己啓発セミナーに誘うのです」
　どうやらＴＯＳＨＩは“ドサ回り”で稼いだカネをすべてＭＡＳＡＹＡに貢ぎ、勧誘にも精を出していたようなのだ。
　宗教問題に詳しく、今回、児童相談所に事態を通告した紀藤正樹弁護士が言う。
「ＴＯＳＨＩは広告塔なんてレベルじゃない。勧誘と経済活動の“前線部隊”です。彼の奥さんは『ホームオブハート』の本部に住み込んで、窓口になっている。彼のマネージャーも『ホームオブハート』側の人間。彼からＭＡＳＡＹＡ側への支払い額は、１ヶ月で１０００万円以上、年間で１億円以上にもなります。完全に『ホームオブハート』の営業活動として彼はライブをやっている。彼がいなければ、『ホームオブハート』は成り立たないでしょう」
　『トシオフィス』は、児童が保護された黒磯市のアパートに置かれている。本誌は現地を訪れ取材を申し込んだが、「ノーコメント」。『ホームオブハート』の本部となっている那須町の別荘も同様である。ＴＯＳＨＩ自身はステージやホームページで、「虐待は事実無根。洗脳された事実もない。真っ直ぐに生きたいだけ。来ると
きが来たら話します」と完全否定。
　「ＴＯＳＨＩは『ホームオブハート』の詐欺的行為も、児童虐待も当然知っています。ただ外部のエゴに触れさせないように赤ちゃんを段ボールで育てる教義を素晴らしいと思っているんですよ。これだけ決定的な証拠があるのに、完全に否定しているのは、彼のマインドコントロールの深さを物語っていますね。彼がやっているのは、ヒーリングを謳い文句にした収奪と人権侵害です。ＴＯＳＨＩには初心に戻ってほしい」（紀藤氏）
　山本氏によると、ＭＡＳＡＹＡはセミナーなどで参加者に「観念」と「エゴ」を捨てるよう求め、それができないと、フィードバックと称して、罵り、足蹴にしたりするという。現在、『ホームオブハート』のスタッフは４０人弱とみられる。
　山本氏と紀藤弁護士らは、日弁連に「子供の人権救済の申立書」を提出した。
　「ＴＯＳＨＩは’９７年秋からセミナーに参加してもう７年にもなります。洗脳は相当深くなっている。（洗脳を解くのは）もう厳しいかもしれませんね・・・」
　山本氏はやりきれない表情で語る。
　ＴＯＳＨＩは４月１０日のライブで、「最後のつもりで聴いてください」と話した。実際、慰問先の福祉施設からはキャンセルが相次いでいるようだ。かつてのカリスマもいよいよ「崖っ縁」である。
　　　　　　　　　　　　　　　　（ＦＲＩＤＡＹ　４/３０号）

■三越で大人気「自然食品ショップ」代表は元オウム幹部

　最近の「癒し」、「リラクゼーション」ブームと相まって再燃しつつあるハーブ人気に乗って、三越を中心に、東京都内の複数の有名デパートで店舗を展開、「自然派」志向の女性の人気を博している自然・健康食品会社がある。
　この会社、仮にＡ社としておこう。登記簿などによると、１９９８年に設立。ハーブやスパイスを中心に、ダイエット紅茶やドライフルーツなどの販売で業績を伸ばし、民間信用調査機関によると００年３月期で２億３０００万円だった売上は、２年後の０２年３月期には５億円に倍増。「王様のブランチ」や「はなまるマーケット」（ともにＴＢＳ系）などの情報番組に取り上げられ、昨年３月期には６億３０００万円の売上を計上。約８４００万円の所得を申告しているのだが、実は同社の代表取締役には意外な人物が就いている。
　去る２月２７日に下された「麻原彰晃死刑判決」で、日本国中に再び“暗い記憶”を呼び起こしたオウム真理教（現アーレフ）。
　Ａ社の代表を務めるＢ氏は過去、オウムの最高幹部である「正大師」に次ぐ地位の「正悟師」に就き、上祐史浩・現アーレフ代表が逮捕された直後は「ポスト上祐候補の一人」と雑誌で報じられたこともある大幹部だったのだ。
　オウム関係者の話によると、Ｂ氏は大学卒業後、大手建設会社勤務を経て、８８年に出家したという。「Ｂさんは大学在学中、神秘的なものに興味を持ち、仙人の道を探求する『仙道』の修行をしていましたが、厳しい修行で体を壊した後はヨーガに傾倒。その過程で麻原を知り、出家したのです。
　我々とは違って社会経験もあり、親分肌だったＢさんの人望は厚く、建設会社勤務の経験を生かして、富士山総本部の建設では現場の指揮に当たっていました」（元オウム信者）
　そして出家から２年後の９０年、Ｂ氏はその年に行われた総選挙に、オウムが立てた２５人の候補者の一人として出馬。選挙公報のプロフィールの中でこう述べている。《昭和６２年、麻原彰晃尊師と巡り合い、一生の師として救済活動に踏み込む。現在、麻原尊師のもとで、すべての魂の救済を目指し活動中》
　「その後、Ｂさんは教団内で頭角を現し、教団が地下鉄サリン事件を起こし、『正悟師』の集団合議制に移行した９５年３月に『正悟師』に昇格しました。
　しかしその数ヶ月後、教団から忽然と姿を消したといわれています」（同前）
　それから３年後・・・。Ｂ氏は現在、社長を務めるＣ氏らとともにＡ社を立ち上げたのだが、実はこのＣ氏も元オウム信者だった。「Ｃ氏だけではありません。現在、Ａ社の役員６人のうち、元オウム信者はＢ氏、Ｃ氏を含め５人。Ａ社はつまり、元オウム信者たちが経営している会社なのです」（公安関係者）
　もしＢ氏やＣ氏ら同社の取締役を務める元信者らが、今も「アーレフ」と名前を変えた教団と関係があるならば、Ａ社は「オウム系企業」と見なさざるを得ない。
Ｂ氏を直撃した。　・・・今も教団と関係があるのか？
　「９年前に内容証明で脱会届を送り、脱会した。彼らはなかなか（脱会を）認識しない連中だから。きれいさっぱり、絶対付き合わないようにという形で、内容証明にした。それ以降は全く関係ない」　
　『正悟師』だったそうだが。
　「強制捜査が入るほんの２日前に突然、（正悟師に）ならされたんだ。ところが強制捜査が入ったら、上祐ら『上』の連中は皆いなくなり、『お前が責任者だ』と私一人が残された」
　なぜ脱会したのか？　
「坂本弁護士の事件がオウムの犯行だと分かったからだ。それまでは『アメリカがやった』というオウムのストーリーを信じ込まされていた。上祐も『オウムじゃない』と言っていたし。
　当時、私がいたサティアンは、全ての情報から遮断されていたが、それでも隠れてラジオを聴いていたら、『（坂本弁護士一家の）遺体が発見された・・・』と。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（週刊文春　４/３０号）

■去る４月７日に、米国イリノイ州の副知事パット・クイン氏がモルモン教会のメッカであるソルト・レーク・シティーを訪れて、イリノイ州下院によって採択された謝罪文を、当教会の指導者たちに手渡しました。謝罪文は、１６０年前（１８４４年６月２７日）に起きた事件にさかのぼる内容ですが、その事件とは、モルモン教の創立者ジョセフ・スミスの暗殺です。当時、イリノイ州のノーヴーで２万人ほどの町を作り上げていたスミスは、一夫多妻の教理を打ち出し、またそれを実践していたために、徐々に地元民の反感を買っていました。不満を抱く元教会員もいて、スミスの私生活を暴露しようと、『ノーヴー・エクスポジター』という新聞を発行しました。そこで危機感を感じたスミスは、武力によって彼らを弾圧し、事務所を荒らし、印刷機を壊しましたが、反逆罪の疑いで逮捕され、反対者の拠点であったカセージの牢獄に監禁されました。牢獄にいる間、スミスは町の暴徒たちに襲われ、殺されたのですが、その責任は当時のイリノイ州政府にもある、と謝罪文は述べています。
　「なぜ今ごろ、謝罪文か」と疑問の声も上がっていますが、イリノイ州側に、それなりの思惑があるようです。クイン副知事は、謝罪文を提出した後、モルモン教徒に対して、「是非、我が州にある、モルモン教の歴史にかかわる場所を見に来てください」と呼びかけました。イリノイ州が経済的に潤されることを期待しているのでしょうか。モルモン教会は既に、多額の資金を投資して、当時のノーヴーの神殿や住居を再建したり、退職したモルモン教徒も住み着くようになっています。しかし、地元民は、モルモン教会の動きに、不安と警戒心を持っており緊迫した状況が続いています。

■『ハーザー』というキリスト教関係の雑誌が、「主の十字架クリスチャンセンター」のカルト化問題を特集で取り上げて、話題を呼んでいます。去年の８月から、教団の内部革命を促す目的で、信徒虐待、極端な権威主義（預言）によるマインド・コントロール、精神病の発生、相次ぐ教会ごとの脱会や牧師の辞任など、教団内部の問題を告発しましたが、結果的には同教団のカルト化に拍車がかかったようです。
責任者たちは反省することも、悔い改めることもなく、すべての報道を「迫害」と受け止めて「他人を裁く者に主は速やかに裁きの手を下される」と講壇から語り、「迫害者の情報を見るな」と、情報統制を強めているといいます。しかし、それにもかかわらず、去年の１２月から今年の１月までの２ヶ月間で、８教会も脱会しています。今後も、地方教会の脱会が続くと予想されますが、これまでの人生を投げ打って、職も財産もかけて献身した牧師たちのアフターケアが不可欠です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（truth　第９６号）