カルト最新情報(2003/9/30)

★　カルト、新宗教ブーム復活か!?　「宗教」にハマッた「芸能人」 　「オウム事件」以降、なりを潜めていた宗教界が再び活性化し、さまざまな看板信者たちが取りざたされている。 　かつて人気商売の芸能人たちは、特定の信仰を持っている事を公表されたら営業活動の妨げになるから、その信仰を隠す事が多かった。 　芸能人の価値が下落し、手の届かない憧憬の対象から隣のお姉さん的なタレント輩出時代になった１９８０年以降、虚名維持のためのプライバシー大バーゲン時代が始まった。その事象は巨大マスコミが節操をなくし、“なんでもあり”の風潮が蔓延していった時代と重なっている。 　そうした背景の中で、９０年代、『統一教会』の一連の芸能人信者の入信脱会報道が繰り返され、『幸福の科学』が大教団となり、オウム事件が起きたのだ。 　芸能人たちは、基本的に不安定な虚業の中におり、その不安感から宗教に接近し、また人気が凋落した時期に、「宗教」側からのなんらかの見返りを期待して入信する事が多いといわれる。 　前置きが長くなったが、昨今の宗教界の動静とあわせ、宗教にハマる芸能人たちの総まくりスタート！ 　マンモス教団となった『創価学会』は芸能人利用で教勢を拡大し、巨大化した代表的な教団である。多くの芸能人が所属する学会の芸術部は、現名誉会長の池田大作氏が第三代会長　に就任した１９６０年代に発足。「芸術部は広宣流布の顔である！」 　池田会長の号令の元、７０年代には、沢たまき、雪村いづみ、山本リンダ、平尾昌晃、三船敏郎(故人)らが体験談を発表して いた。ひたすら「南無妙法蓮華経」と勤行に明け暮れ、苦難を乗り切ったという芸術部員は枚挙にいとまがない。 　村田英雄(故人)、作曲家・平尾昌晃、女優の泉ピン子は病気入信。名もない貧困時代に、お題目を唱えて頑張ったという体験を語るのは、沢たまき、細川たかしらのベテラン組。入信を契機にスキャンダルから立ち直ったのが内藤やす子、研ナオコ・・・。その他には、岸本加世子、THE虎舞竜、松本人志、尾崎豊(故人)、朝比奈マリア、市川右近、木根尚登、島田歌穂、久本雅美、野村沙知代、中居正広、草�g剛。 　ビンボー人は創価学会へ行け！金持ちだけが真如苑に入ればいいのだ」と号令して教勢を伸ばした『真如苑』にも、数々の看板信者がいる。たとえば、島田楊子、沢口靖子、石原真理絵、SAM、高橋恵子、高橋伴明、大場久美子、高樹澪、鈴木蘭々、松本伊代、デーモン小暮、CHIHARU、石橋貴明、鈴木保奈美。 　既成大教団の有名人取り込みのテクニックは、後発の群小教団が巨大化しようとするときに“コピー”される事が多い。バブル期に伸長した『幸福の科学』などがその例である。「偏差値世代の平成バブル宗教」などと、時代精神と絡めてさまざまな分析がされた幸福の科学は、直木賞作家景山民夫(故人)、女優小川知子、ミュージシャン原田真二を押し立て大騒動、話題をさらった。 　巨大化した教団は安定期に入ると、マスコミ取材をシャットアウトする。大阪を中心に膨張している『誠成公倫会』の徹底した秘密主義戦略は初期の真如苑に類似している。“現代のカリスマ”と呼ばれる教祖八島義郎は作詞家・作曲家の顔を持ち、ペギー葉山、五木ひろし、菅原洋一などのレコード作詞も手がけている。 　演歌歌手大月みや子、さらに宝塚女優、有名野球選手夫人などの信者がいる。 　真光の“手かざし”の業で知られている『世界真光文明教団』には「神組み手」と呼ばれる信者の中に俳優北大路欣也夫妻、脚本家市川森一夫人の柴田美保子などがいた。柴田は映画『マルサの女』で新興宗教教祖の愛人役を演じた女優である。 　世界真光文明教団から分裂、岡田甲子という女性教祖が立教したのが、もう一つの真光といわれる『崇教真光』。真光の業の“手かざし”を始め教理面で差はなく、真光文明教団と“正統争い”をしている。俳優石橋正次は教団幹部。プロレスラーのアントニオ猪木は、かつて参議院議員に立候補したとき、この教団を訪れた。 　モルモン教は女優斉藤由貴が入信している事で有名になった。正式には『末日聖徒・イエスキリスト教会』という。斉藤は「日曜日は毎週教会に行きます。戒律が厳しいので、アルコール、たばこはもちろんコーヒー、紅茶などのカフェイン系のものも一切口にしません」と語っている。この教団はケント・ギルバード、ケント・デリカットの外人タレント組も入信している事で知られている。 　その他のキリスト教系では、杉並区に本部を置く『イエス之御霊教会教団』のデザイナー、コシノ三姉妹。戒律の厳しい事で知られる『エホバの証人』には、長く仮面夫婦を続け現在離婚した坂本龍一の元妻、矢野顕子。 　神道系教団では、『天理教』の元プロゴルファー樋口久子、最近入信が噂され話題になった歌手中島みゆき。仏教系教団では、女優樹木希林と『希心会』、北島三郎と『仏所護念会』が知られている。 　一般的に宗教と芸能人の関係は、「宗教のマスコミ利用の姿」といわれる事が多いが、人気の浮き沈みの激しい芸能人たちの「有名人の宗教利用」という側面もある。 　“ギブ＆テイク”の関係が円滑に行っている間はいいが、教団になんらかのトラブルが起きたとき、芸能人たちは躍起になって関与を否定する。たとえば昨年中に白血病騒動の後、一転して多額の借金問題が浮上した俳優渡辺謙は「借金の原因は信仰している教団へのお布施」と報じられていた。その教団とは岡山に本部を置く法華教を教典とする『釈尊会』・・・その事実を暴いた週刊誌に対して当人は真っ向から否定した。 　『統一教会』への入信脱会騒動で揺れた９２年には、歌手桜田淳子、元五輪新体操日本代表選手山崎浩子らが教団の主催する合同結婚式に参列。もっとも衝撃的で、世間の共感を呼んだのは、当時教団広告塔の一人であった飯星景子を脱会させるために、父親の作家飯干晃一の教団との壮絶なバトルだったが、当の景子本人は、めでたく脱会後、会見で次のようにノンシャランなコメント。「正直に言おう、このときの私の感想はハラホレヒロであった」ナンノコッチャ！ 　オウム事件以後、９９年に大々的に捜査のメスが入ったのは『法の華三法行』で、教祖の福永法源が詐欺容疑で逮捕された。福永代表は、信者獲得に巧妙な有名人広告塔作戦を展開した。しかし取りざたされた各界有名人にならって、タレント河相我聞、城みちる、浅茅陽子らは、いっせいに無関与を合唱した。『法の華』事件の前年に霊感商法トラブルで話題になった『霊示気学二穣会』では、信者が佐久間良子が広告塔であった事を暴露したが、大女優は「まったく無関係」と癇癪玉を爆発させた。 　また、昨年１月に発生した板橋資産家殺人への関与で教祖が逮捕された新興占い教団『グループ向日葵』では、なんらかの役割を担ってタレントたちが団体の広報誌などに掲載されていたが、当人たちは代表の吉川タカ子と面識があることを認めながらも、これまた無関係と否定している。中尾ミエ、香取慎吾、伊藤ゆかりらの面々・・・。 　今年の白装束集団“パナウェーブ騒動”のおりには、“消滅”宣告された��木美保ばかりが有名になったが、実は教祖千之裕子がかつて所属していた『GLA総合本部』には、看板会員として俳優川津祐介、女優大空真弓などが会員として名を連ね、大きな名前として関口宏、西田佐智子夫妻がいる事は広く知られている。 　芸能人であろうと誰であろうと人が宗教を持つ事は「信教の自由」なのだが、芸能界の華やかな“神々”でもある彼らが自分の所属教団を明かし、布教活動に寄与する事は大きな違和感が伴っている。 　「信教の自由」とは、またその信仰の秘匿の事でもある。おおかたの有名人と教団の関係は「現世利益追及」のギブアンドテイクの関係である。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ルパン　９月号） ★　ものみの塔聖書冊子協会発行の『わたしたちの王国宣教』の７月号に載っている「３月の奉仕報告」によると、今年３月の伝道者数は、前の月よりも１１３１人も増えたそうです。また、補助開拓者(月々５０時間の伝道のノルマを課せられる人)の数が一気に、９５３５人から３万１３０人に激増しています。昨年の暮れより相当の減少傾向にあったエホバの証人でしたが、突然の挽回を果たし、今年度の伝道者最高数を記録した訳です。 　これは、不活発になっていた多くの証人が息を吹き返して、再び、伝道活動を始めた事による現象ですが、その直接的な要因は、３月に勃発したイラク戦争にあります。伝道の熱意を失っていた証人たちが、「ハルマゲドンが近い」と感じて、慌てて(？)復帰したのです。しかし、状況が落ち着いた今、彼らは「まだ先か」と肩を落としています。 　１００年前から続いている、何とも奇妙なパターンです。  ★　先日、ある韓国人クリスチャンから、カルト研究リハビリセンターに連絡がありました。３０歳くらいの若者で、立教大学で神学の博士号を取ろうとしている人ですが、『教会がカルト化するとき』を読んで、感銘を受けたようです。また更に「この内容はそのまま、韓国の教会にも当てはまる」と考えて、韓国語に翻訳したいという強い思いが与えられた、という事です。 　実は、この男性の父親も韓国でカルト問題に取り組んでおられて、数年前にあるグループの信者に襲われて、殺されたそうです。 　お兄さんも牧師で、韓国で『現代宗教』というクリスチャン向けの雑誌を発行しておられるそうですが、とりあえず、少しずつ、本の内容を雑誌の中で紹介し、やがて本にするという話が決まっています。『　現代宗教』の７月号に本の前書き、及び、目次が載り、８月号には第１章の前半が載りましたが、１２月号までに、本の全文が紹介される予定です。 　●　第９回『いたんだ葦の会』は９月２３日(火)に、カルト研究リハビリ・センターに於いて開催されます。テーマは『脱会後の信仰生活パート�V』です。参加ご希望の方は、真理のみことば伝道協会の本部まで、お電話ください。   ●　９月２２日から２３日にかけて、タンポポの会主催のセミナーが岐阜県多治見市にあるカトリック神言修道院研修センターで開催されます。テーマは『カルト問題に対して今の私にできること』。講師は清水与志雄師(名古屋東教会牧師、元統一協会信者）と、草刈定雄師(エホバの証人救出カウンセラー)です。参加ご希望の方は、タンポポの会代表の磯崎氏までお電話ください。(�рO５７２−２３−９８１３） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（truth　９月号）