| 宗教最新情報(2012/3/15) |
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■統一教会 “合同結婚式” 「結局みんな不幸になった」 昨年師走、特別手配されていたオウム真理教の平田信容疑者が自首した。平田を匿っていたとされる斉藤明美容疑者も出頭し、逃亡生活を支え続けた女の健気さが浮き彫りになった。 一方、平田自首の４日前、東京地裁で、あるストーカー規制法違反事件の判決があった。卑劣な行為と断罪され、懲役３月執行猶予４年の有罪判決を下されたのは、世界基督教統一神霊協会（以下＝統一教会）信者の宇佐美隆氏（４３）。 同氏を刑事告訴したのは、元信者で婚約者だったA子さん。両ケースは同じカルト教団、同じ男女の話なのだが、この落差は一体何を物語るのか。宇佐美氏は判決を不服として控訴したが、不覚にも“前科者”となってしまったその心境を聞こうと、埼玉県の自宅を訪ねた。 以下はその際の一問一答である。なお、本人承諾の上、氏名及び顔写真を公表した。 －逮捕時（２０１１年２月７日）の様子を聞かせて下さい。「朝の８時頃でしたが、呼び鈴が鳴るので『こんな朝早く誰だろう』と玄関を開けると大勢の男が来ている。そのうちの一人に紙（令状）を突きつけられ、寝ぼけ眼をこすりながらよく見ると、ストーカーうんぬんと書いてある。何の騒ぎかさっぱりわからず、言われるまま家に上げました」 －家宅捜索で何を押収されましたか。 「僕はネットを使った中古車卸業をしています。パソコン４台、ノート類、携帯電話はもちろん、洋服、彼女からの手紙まで、つまり仕事と私生活に関わるほとんど全てです」 －逮捕時にテレビ局のクルーは来ていましたか。 「玄関正面に警察車両が横付けされ、左右と正面方向にテレビカメラが確認出来ました。フードをかぶせられたので『やめてください』と訴えると『出るときにはこうするんだ』と強制的にかぶせられました」 －逮捕時の様子は新聞各紙、各局ニュースで大きく報じられました。両親は驚かれたでしょうね。「告訴した相手の、ついこの間までの“良き婚約者”ぶりを知っているわけですからそりゃそうです。父からは『控訴するな。これ以上世間の物笑いにされるのは我慢ならん』と言われました。ある親戚の結婚も無期延期になるなど、一族にまで迷惑をかけたのは事実です。しかし、納得できないものはできません」 －両親は、あなたの入信や合同結婚式への参加に反対ではなかったのですか？（宇佐美氏とA子さんは、’07年2月の合同結婚式に参加し、ペアとなった） 「積極的に賛成したわけではありませんが、渋々というレベルです。結婚に際しては’07年8月に、A子さんも僕の両親の元にあいさつに訪れています」 今回に事件では、警察当局から一度も「警告」が発せられた形跡がない。突然逮捕され、マスコミに実名及び顔写真が公表されたという。 しかも、事件の担当が警視庁刑事部ではなく公安部だったことからも、単なるストーカー事件の摘発というより、当局のターゲットが統一教会だったフシもうかがい知れる。 ストーカー規制法の運用に関する通達の最後部には、適用上の留意事項として、国民の権利を不当に侵害しないように注意する旨が記されている。 さらには本来の目的逸脱、他の目的のために濫用してはならないとも記されている。 認められなかった主張 統一教会は、職業や家庭を捨てる献身、教祖夫妻からの「祝福」という名の強制結婚、詐欺まがいの霊感商法の強制など、世間からは反社会勢力視されている。 －A子さんの両親は、どう見ていたのですか。 「彼女は熱心な信者で、教会での合同生活をしながら信仰に揺らぐ人のケアをしていました。彼女の両親は入信にも祝福にも反対で、過去に拉致・監禁（反統一教会側は保護・説得と表現）を依頼したという情報もありました。彼女が両親を警戒していたとはいえ、結婚をするわけですから、’08年の正月に、両親の元へあいさつに行くことになりました。しかし僕だけが拒否され、実家に入れたのは彼女だけ。5分ほどで出てきた彼女に、これはワナではないかと注意を促しましたが、心配ないという。ほどなく彼女は彼女は実家に戻り、その後、僕はメールを発信しましたが応答がない。実家にも電話を入れましたが、やはり応答はありませんでした。実家に行くと人の気配がない。これは拉致されたのだと思いました」 －つまり「あなたは嫌い」と言われ、それを納得できないという理由でストーカーになったのではないと。 「実は1999年に参加した合同結婚式においても同じケースに遭遇しています。その時は、相手に合うことができ『脱会したから婚約は解消する。あなたは嫌い』と言われ、あきらめました。同じことを面と向かって言ってくれれば、彼女の居場所を探したりはしません」 －あなたは、A子さんの父親の車（報道ではA子さんの車に付けたことになっている）にGPSを取り付けましたね。判決でも卑劣と指摘されているように、やり過ぎだと思いませんか。 「’09年の秋ごろ、彼女の父親が出入りしていたマンションがわかったのですが、実はそのマンションは12年間、反対派に脱会を迫られた後藤徹さんが監禁されていた場所と同じだったのです。ということは、彼女は後藤さんを監禁したグループに連れ去られ、同じ目に遭うのではと心配になるのは当然でしょう。 GPSを付けたのは、とにかく彼女に会って、脱会を装って脱出の機会をうかがっているのか、本心からの脱会かを知りたかったのです。結果的に本心であることがわかったのであきらめましたが、裁判では『ストーカー行為』とされて、本当の動機は一顧だにされませんでした」 ’11年5月の参議院法務委員会で、反統一教会の有田芳生議員（民主党）が警察庁へ、GPS取り付けについて質疑を行った。その結果同庁は、GPSを設置する行為自体を禁止した法令はないと回答している。 －あなたは無実を勝ち取ることより、敏腕脱会屋の存在を世間に知らしめようとする統一教会に利用されたとは思いませんか。つまり“究極の献金システム”と反統一教会側から指摘される“祝福つぶし”を何とか阻止しようという教会側の犠牲になったと。「愛などなかった、信者の義務といて探した」といえば、ストーカー規制法違反での有罪にはならなかったのではないか。 「いや、むしろ教会は積極的に動いてくれませんでした。あの正月には、アベル（上司）がいないからとか言い逃れて。もっと機敏に動いてくれれば、彼女は棄教を迫られる前に家を脱出できたかもしれないのです。今となっては、結局みんなが不幸になってしまった。そんな思いです」 A子さんの意思を確認するために居場所を探したと主張する同氏の証言には、一定の整合性がある。しかも、宇佐美氏はネットを通じてビジネスをしているため、パソコン類の押収で取引先を失うなど、一時的にせよ生活権まで奪われてしまった。 われわれは統一教会に対しても、あらためて宇佐美氏の件を問いただした。以下はその回答である。 「宇佐美君には脱会屋の存在を明らかにしたいという意思がもちろんあった。なぜならその背景に触れずに今回の事件の真相は理解できないからだ。彼がA子さんを愛していたというのは事実。双方からの報告内容からもそれは明らかだ。 信者に対する監禁事件は、最多の年には1日に1件起きていたが、ここ数年は年間10件前後で推移し、昨年は5件に減った。減少傾向にあり、今さらになって経済的な打撃を避けるためなどとする必要はない。 祝福＝献金システムであるという点については、あくまでも、祝福式に参加できたことに対する神様への感謝献金であるとともに、エンターテイメントを含み式典諸経費、会場費や宿泊費などが含まれている。莫大な利益をもたらすなどという意見は、反対派の主張にほかならない」 宇佐美氏の独白からは、通常のストーカー事件とは明らかに異なっている点が感じられたのは事実だ。 そして、逮捕によって失ったものも大きかったのではないか。 （週刊実話 ３/８日号） ■宗教と税 「幸福の科学」 幸福の科学を率いる大川隆法氏は、かつて「1100万人」なる信者数を口にしたことがある（文藝春秋2009年8月号インタビュー）。 またその折、教団を「宗教界のトヨタ」とも豪語していた。 実際、幸福の科学施設（精舎や支部など）を目にすることも多くなったし、宗教団体と“実質一体”の幸福実現党は’09年の東京都議選を皮切りに衆院選（同年）、参院選（’10年）、統一地方選（’11年）などで候補者を立てた。選挙ポスターや辻演説で、この組織を認知した人も多いだろう。 しかし選挙結果は惨敗に次ぐ惨敗で、国政選挙などでドブに捨てた供託金は12億円を軽く超す。これについては、「小さい、小さい、ゴミみたい」なる大川語録が文藝春秋誌上に残されているが、教団の拡大基調は少なくとも外形上、衰えることがない。 教育界へも進出し、’10年には栃木県那須町に『幸福の科学学園』（中高一貫の全寮制校）を創設。地元住民の反対運動に遭遇しながらも、来年にはその兄弟校（関西校・滋賀県大津市）を開校する予定である。さらに、余生を駆ってブチ上げたのが「大学構想』だ。中高校から大学までを設立した伝統教団は少なくないが（青山学院や同志社、駒沢や国学院など）、こと新興宗教では創価学会、天理教を除けば、4年制の大学はない。 では、幸福の科学が構想する“大学”とは。どんな者なのか。「今のところ考えているのは、理科系・文化系１学部ずつに複数のコース。文科系は人間幸福学部で、プロの宗教家、幸福の科学職員を目指すコースや、政治のリーダーを作るコースにしたい。理科系は未来産業学部。たとえばバイオテクノロジーやロボット工学などがありますが、みなさんもご存じのように宇宙時代の技術、つまりUFOの技術とか霊界からの技術をしっかり研究して、オンリーワンの大学にしていきたい―」 これは昨年、幸福の科学内部の集まりで出た「学長」氏の発言（抄録）だ。とはいえこの大学、現在は建物もなければ「学校法人名」も文部科学省データには存在していない。 この大学構想に関して、村の大騒動が勃発している。九十九里海岸に面し、風光明媚な場所にある長生村。人口１万５０００人ほどで、“平成の市町村大合併”に反旗を翻した村長が、合併賛成派を破り８年前に当選。今や千葉県に残る唯一の村である。 幸福の科学はここで、’０４年に土地（１．８ヘクタール弱）を取得し、現在『正心館』という大型施設を所有する。その際、目立つような進出反対の声はなかったようだ。 「森田検索千葉県知事が２度目の挑戦で当選したのが’０９年３月の選挙。リベンジ成功に幸福の科学の支援があったからと教団側は強調しましたが、実はこの『正心館』で入会したのではないかとウワサされたものです」（地元記者） 話がややこしくなってきたのは、正心館南側に広がる約３１ヘクタール＝東京ドーム７個弱分の土地を教団が購入し、「ここに大学を作る」と言い出したあたりからだ。千葉県知事あてに提出された「土地売買届出書」の利用目的にはこうある。－大学など教育施設、寄宿舎、老人福祉施設、医療施設、宗教施設等ー 大学どころではなく、病院や高齢者施設まで含んだ「幸福の科学巨大プロジェクト」に見える。気になる購入金額だが、１平米約１万８０００円×約３１万２０００で５６億７７００万円也。届け出時期は’０８年４月３日。大川氏が選挙の供託金で「小さい、小さい」と豪語する理由も、わかろうというものだ。そこで千葉県の不動産取引に通じる知人複数に尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。 「海沿いのあそこは、戦後の農業政策で汽水（淡水と海水が混合している水域）だった場所を干拓して田んぼにしたのが始まり。塩害が起き、畑に転換してもダメだった。東邦生命が目をつけて一大リゾートにするべく関連会社が買った。ところが肝心の生保が破綻して、大手建設会社へ転売。そこも将来性を見切って、振興デベロッパーへ売った。ここも村へ巨大プロジェクトを提示したが、結局は損切りで幸福の科学へ売却したのです」 知人の提示したデベロッパーの投資家向け資料などによると、土地取得時こそ巨大計画が掲載されてはいるが、’０８年版には「九十九里プロジェクトと、たな卸資産の売却」とうたって「近隣法人からの強い要請で売却」したとの記述と、その他の評価損を見込まれる案件の早期売却で「利益を大きく損なうことなく資産の圧縮を実現」した業績が自慢げに記されている。 「近隣法人とは『宗教法人幸福の科学』しか考えられない。たしかに元の仕入れ値が３１億円ちょっとのものを、幸福の科学へ５６億円強で売ったんだからウハウハでしょう」（同） ちなみに、このデベロッパーはその後、民事再生を試みるなど悪戦苦闘中。土地所有時に温泉を掘削しようとした形跡が資料に認められるが、いずれにしろ、幸福の科学は高い買い物をしてしまったようなのだ。 当初、教団は２０１３年に大学を開校すると村側に説明していた。しかし写真でおわかりのように、今現在、ここは巨大な空き地のままである。さらに、いつの間にか開校時期が３年繰り延べになっている。 既存の『幸福の科学千葉正心館』は宗教施設で、固定資産税（地方税として市町村が課税）などは非課税である。一方、３１ヘクタールの「大学予定地」はどうなのか。実際、幸福の科学が取得する以前には、所有していた法人が固定資産税を村へ納めていた。直近の数字で２４８０万円である。 ところが幸福の科学は、「宗教法人がもっぱらその本来の用に供する宗教法人法第３条に規定する境内地に当たる」との理由で、「固定資産税の非課税申告書」を提出してきた。村長は議会で、関係各所（県、弁護士等々）に課税可否の相談をし、教団側とも話し合いを持ったが、「非課税妥当」の結論を下したと述べている。 これに対して、「はい、そうですかとは言えない事情が現にある」と、ある村議が憤る。以下は現地で取材した村内の声だ。 『宗教法人の境内というが、草ぼうぼうの空き地で宗教活動などやっていない』 『学校の建設予定地だとすれば“境内地”ではないのだから、当然、固定資産税をかけるべき』 『教団が非課税申告を出してきたから認めるのではなく、最低、課税通知をしてから判断すべきだ』 幸福の科学側はこうした声に対処したようだ。「草ぼうぼう」については、草刈りを実施。写真のように、遠目にはゴルフ場のような様相にはなっている。また、瞑想のための道もしつらえ、修行に励んでいると村側へ報告。ただし大学の開校が本当に２０１６年に出来るかどうか、村議の多くは疑問を持っている。 こうして、「村長は何で村の有力財源である固定資産税を、所有者（教団）に課さないのか」という主張が、村議会でますます大きくなっていったのである。 このような緊張状態の中、昨年末の村議会で重大な事実が発覚した。’１０年に村長は、先述の「幸福の科学学園」へ視察に出掛けていたのである。しかも教団側が用意した「運転手付き車」の送り迎えと昼食の接待を受けていた疑惑がある。 視察の前後時期、議会では「なぜ課税しない」の複数村議からの質問に、「宗教施設だから課税できない。法律の問題である」などと村長自ら答弁していたから、火に油を注ぐ事態に発展した。そしてついに２月６日には、この村長出張をめぐって「百条委員会」設置が決まったのだ。 この委員会の位置づけの詳細は省くが、要するに強制調査も可能で、国会の証人喚問並みの権力をもつものだと理解してほしい。調査対象は、もちろん村長。偽証や証言拒否には、刑事罰もありうるし、幸福の科学側へ証人喚問を求めるケースも大いに考えられる。 同様の百条委員会がかつて静岡県富士宮市で設置されたことがある。創価学会の土地取得にまつわる疑惑だったが、ヤクザが疑惑解明派を襲ったり、数多くの暴力事件の末、ウヤムヤになっている。 村の第一回百条委員会は２月１４日に開かれ、次回（３月初め予定）は村長の答弁書が提出される手はずだが、この問題を「小さな村の騒動」と片付けるわけにはいかない。幸福の科学に限らず、宗教法人が取得して“ほっぽらかし”の土地（固定資産税非課税）は全国津々浦々に腐るほどあるのだ。 とりわけ都会に住むマンションや土地の所有者にしてみれば、固定資産税がいかに重税で、場合によっては実際の取引価格よりさらに高い評価で課税される実態を知っている。学校法人もまた、固定資産税非課税の特権を持つが、これは設立以降の話である。 ある村議は、「もし大学を作らずに、幸福の科学の巨大施設が出来て、成人信者が集団移住してきたら村会議員などわけなく当選可能。そうでなくても風光明媚なあの場所に、墓苑や霊園を作らないとも限らない」と、不安を口にした。 ちなみに宗教法人の資産に対して「専ら宗教活動に使っていると認められない」と、固定資産税課税を是とした判例も少数ながら存在する。つまり村長批判派の主張が正しいと司法が判断する可能性はある。宗教法人が、取得した土地を何でもかんでも「境内地」と言い張って、高値で転売することさえ認めているのは、やはりおかしいと言わざるを得ないだろう。 長生村は６月に村長選を迎える。現職は３期目を目指して立つが、保守系の候補もほぼ出馬確定という。両者が「あまり触れたくない」心持ちであったとしても、国の増税に揺れる状況下では、課税問題は、当然争点になるだろう。 それにしても大震災の津波被害は免れたとはいえ、標高（海抜）１㍍に満たない場所に大学を設置して、学生は集まるのだろうか。しかもこの地域は古くから天然ガス（メタンガス）の産出地。自家製ガスを使っている家庭も多い。 大規模施設は建設でも管理においても、「ガス抜き」が重要課題なのだが、村の“ガス抜き”については当面終結しそうにない。 （週刊実話 ３/１５日号） ■告訴まで「１０年」 オセロ中島 自称占い師の女性（43）による洗脳状態にあるとされる、お笑いコンビ「オセロ」の中島知子（４０）の一連の騒動で、法的バックアップを担当している、とされる山口広弁護士（６２）が９日、岡山市内で取材に応じた。山口氏はあくまで一般論、と強調したうえで、中島が本来の状態に戻ってから女性に対して法的手段に出る場合、「人それぞれだが、長い人なら（裁判に至るまで）１０年かかる」との見解を示した。全面解決までは長期戦になりそうだ。 山口氏はこの日、事務局長を務める「全国霊感商法対策弁護士連絡会」（全国弁連）の全国集会に出席。終了後に取材に応じた。中島の騒動については守秘義務から「何も話しようがありません」と口をつぐんだ。 しかし、「一般論ですが」と前置きした山口氏は、洗脳状態で奪還された人物が立ち直り、裁判を起こすまでの期間について言及。「マインドコントロールを解いても、心の整理がつくまでは人それぞれ。早い人なら数カ月だが、長い人なら１０年かかる」との見解を示した。 山口氏は法曹会では「カルト問題の第一人者」とされ、精神的にどん底に沈んだ被害者救済のスペシャリストと言われており、中島の周辺が今後の占い師の女性との関係の清算に向けて“援軍”を求めたとみられる。 裁判に至っても、決着までの道のりもまた険しいようだ。山口氏は「統一教会は（洗脳を）組織的にやっているので立証しやすい」とする半面、中島のような個人の「街の占い師」に被害を受けたケースについては「個別の立証がとても難しい。一概に何とかなるとは言えない」と話した。 この日の集会で山口氏は、霊感商法に関する東京高裁での判決を報告。統一教会との裁判の一つが昨年、４年余りで判決に至った。「以前よりは早くなったが、標準的でしょう。（今後の被害者たちへの）追い風にはなると思う」と一定の評価を与えたが、立証しやすいケースでも４年はかかるのが実情のようだ。 中島は先月２８日に関係者に都内の自宅から連れ出され、現在は別の場所で専門家にカウンセリングを受けていると見られる。症状は不明だが、洗脳状態が予想以上に深刻だった場合、立ち直った後に損害賠償などを求めて提訴しても、相手は立証しにくい個人占い師。判決という決着がつくまでには１５年、２０年と膨大な時間を要する可能性もありそうだ。 （スポーツ報知 ３/１０日付） |
