■オウム最高幹部　逮捕

　オウム真理教元信者らによる職業安定法違反事件で、警視庁公安部は１６日午前、新たに東京都世田谷区南烏山、教団最高幹部杉浦茂容疑者(４６)ら幹部信者３人を、同法違反(労働者供給事業の禁止)の容疑で逮捕、すでに逮捕されていた葛飾区高砂、元幹部信者秋山登容疑者(３２)ら４人を同容疑で再逮捕した。公安部は、教団が組織ぐるみで違法な資金集めを行っていたとみて、資金の流れの全容解明を進める。
　新たに逮捕されたのは、杉浦容疑者のほかに、台東区北上野、幹部信者坂口剛(４９)、足立区保木間、同上田竜也(４０)の両容疑者。
　調べによると、杉浦容疑者らは２００２年７月〜今月１月、無許可で、教団のパソコンソフト部門に所属する信者計９人を、横浜市内などのパソコン関連会社計８社に派遣し、働かせた疑い。杉浦容疑者らは、信者を教団と関連のない文京区パソコンソフト会社の社員であるかのように装わせていた。公安部は、教団が組織的に信者の給与の大半を活動資金に充てていたとみている。
　公安部によると、杉浦容疑者は教団を運営する５人の「正悟師」の１人で、教団パソコンソフト部門の最高責任者。地下鉄サリン事件後の１９９５年５月まで、信者の子供の教育を担当する「文部省大臣」も務めた。坂口容疑者は教団関連のパソコンソフト会社の代表を務め、上田容疑者は教団の経理を担当していた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（読売新聞　６/１６付）　

■摘発「やまびこ会」広告塔の古風な面々

　会長の松井明(６２)ら数人が昨日(１６日)詐欺容疑で逮捕された「やまびこ会」が世間を騒がせている。
　聴覚障害者への生活支援などを口実に、「１００万円が半年で２５０万円になる」などと２０００人以上の会員から２０億円以上をだまし取っていたが、驚くのは、広告塔の質と量。芸能人、著名人をこれでもかと使っていたのだ。
　同会の初代会長には「リンゴの唄」で知られた故・並木路子さんの名前があり、主催するチャリティーコンサートや講演会には、俳優の岸部シロー、横内正やＡＶ監督の村西とおる氏らの名前が。さらに驚かされるのが名誉総裁で、昭和天皇の皇后の従弟で元皇族の梨本徳彦氏(８３)が務めている。
　松井会長と梨本徳彦氏のツーショット写真は、会員集めの切り札だったという。
この松井という男、悪事は「やまびこ会」だけではないという。「松井は９７年に問題となったＫＫＣ(経済革命倶楽部)詐欺事件でも関連会社の代表理事として名前が挙がり、０２年の八葉物流によるマルチ商法事件でも関与が取り沙汰されました。その筋では有名な人物です」(事情通）
　さっさと捕まっていれば被害も少なかっただろうに・・・。

■国税のメスが入り、３年間で１億２０００万円の所得隠しが発覚した全裸ＳＥＸ教団「ザイン」。週刊誌では教祖・小島露観氏（６５）が女性信者のアソコにバナナを入れたり、男性信者にお触りさせる“エロ儀式”ばかりが注目されているが、実は怪しげな商品を売ってボロ儲けしている営利団体でもある。
　「教団は『シオン』というグッズショップを東京や大阪など全国５ヶ所に開いています。占い雑誌やインターネットに広告を掲載し、悩みが解決すると若い女性やオタクに法外な値段で開運アクセサリーやグッズを売りつけているのです。教団では商品を“聖品（ショウヒン）”と呼んでいますが、これが意味不明なガラクタばかりで・・・」(元信者)
　商品チラシを見るとア然、ボー然だ。「時空を操る者」なる商品名の何のヘンテツもないオパールの指輪が定価６３万円！　５万４００円のピアス「悩殺令嬢」は、見る者すべてを夢中にさせる効果があるという。万華鏡「悪魔の金探し」(３万４６５０円）は恐るべき的中率で金の在りかを探し出す。「諸葛孔明の天誅棒」(４万５１５０円)は神の稲妻が運命の不義不浄を焼き滅ぼす・・・。極め付けは居合刀「草薙剣」。単体でも４万７２５０円と高額なのに、「天むら雲剣の剣神」のエネルギーを“チャージ”するのに２万１０００円もかかる。ごていねいに剣のお手入れセットや魔剣の使い方ビデオまである。「『白銀ひびき』『鉄つるぎ』なる“美人アイドル”まで使い、奇妙キテレツなコピーのついた商品を山ほど並べています。グッズ購入に２０００万円をつぎ込んだ信者もいますよ」(元信者)
　いよいよもって、理解に苦しむ教団だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（日刊ゲンダイ　６/１８付）

■“教祖”は東大卒伯魔壬旭氏「ザイン」

　元会員や関係者によると「クーデター計画」が本格的に始まったのは９３年ごろ。
伯魔氏が、民主主義を打倒し「武人」が統治する古代帝国建設を目指す方針を打ち出し、「古代帝国軍」を名乗るようになった。１５０人前後のメンバーで「突撃隊」を編成。肉弾戦用の「闘拳隊」、バイクで移動し剣で戦う「闘剣隊」のほか「棒隊」「弓隊」「水中銃隊」、特殊部隊「万師隊」などに分かれ、軍事訓練を実施したという。
　突撃隊員だった元会員は「本気でクーデターを考えていた。サバイバルナイフ、おの、クレー射撃用銃、弓、ボーガン、アーチェリー、火炎放射器などの武器を集め、自衛隊現役パイロットもいた。一種の私設軍隊。(伯魔氏の)命令があれば、決行していた」と証言する。
　９４年ごろには「国会突入」計画を具体化していたという。当時マスコミ関係者で、国会に入ることができた元会員は「突撃隊が、ある地下ルートから突入して、警備員を殺害。自衛隊機の空中支援を受けつつ国会を占拠し、議員を人質にとり、(伯魔氏が）ＮＨＫ電波を通じて新国家樹立宣言しつつ自衛隊員に決起を呼びかけるというシナリオだった。当時、彼の指示で国会内の突入ルートの写真を多数撮影した」と明かす。
　実際、伯魔氏が９３年出版した著書「沈黙の兵士たちへ」には「いずれアメリカ国防総省はＺ（ザイン）計画の中の軍事戦略中枢になるであろう」「武力で金力を倒せ！」「めざすはＺ帝国の建国」という文が書かれている。権力奪取後の「貴族制度設置」など１８項目の政策も発表している。
　だが、伯魔氏の「９４年６月、首都圏に大地震が起こる」という予言が外れたこともあり、路線転換。男性の脱会者が相次ぎ、経営するアクセサリー店などを通じて加入した女性会員らが増加した。そして過激な性的儀式の方が目立ち始めたため、最近では「セックス教団」と報じられている。
　しかし、軍事的側面はその後も残り、伯魔氏は９９年１月、都内のセミナーで「もう抜本的に変えるほかはない。革命かクーデターですよ」「自分が(クーデターを)起こすつもりだった、実は」と明言。「麻原というのは私の影(かげ)なんですね」と、オウム真理教(アーレフに改称)の麻原彰晃被告(５０)を意識した発言までした。
同年の会報では、自衛隊の戦車に乗った伯魔氏の写真が掲載されている。０３年には元米国特殊部隊隊員を講演会に招聘（しょうへい）。刀を使った修練会も各地で実施中で、今月下旬には横浜市内で「帝国主義」を標ぼうするイベントを開催する予定だ。
　単なる「セックス教団」だけではないこうした実態に、公安当局も警戒を強めている。日刊スポーツの取材にザインは「すべての取材はお断りさせていただいている」と答えた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(日刊スポーツ　６/１９付）

■エロ牧師初公判、認否を留保

　宗教法人「聖神中央教会」で、信者の少女らに暴行を繰り返したとして、女性暴行などの罪に問われた元主管牧師金保被告の初公判が２１日、京都地裁で開かれた。
金被告は「今日の段階では何も申し上げることはございません」と罪状認否を留保した。
　検察側は冒頭陳述で金被告が「牧師の言葉は神の言葉だ」などの説教を繰り返し、信者に絶対服従を要求したと指摘。「従わない者には『堕落している』などと大声でののしり、子供にも平手やベルトで殴ったり、裸にして走らせるなどの暴力を加えた。信者は被告を尊敬するとともに恐れ、逆らう者は１人もいなかった」と、被告が教会内で絶対的立場にあったことを強調した。さらに「被告に逆らうことは神に逆らうことと信じて疑わなかった少女を牧師室に誘い、寝ているところを暴行した」と犯行状況を説明した。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(日刊スポーツ　６/２２付）　　

■コーラン冒涜を証言

　キューバのグアンタナモ米軍基地の収容所に１年半拘束されていたロシアのイスラム教徒、アイラト・ワヒトフ氏(２８)がこのほど、モスクワ市内で記者会見し、聖典コーランの破り捨てや拷問など、収容所の実態を証言しました。同氏は近く、無実の正式な証明と賠償を求め米政府を提訴する予定。会見に同席した支援者の１人、イリーナ・ハカマダ前ロシア下院議員は、「『対テロ戦争』『対テロ同盟』は人権侵害を正当化できない。これで有効なたたかいができるのか」と批判しました。
　両米軍収容所では、お祈りを大音響のロック音楽で邪魔する、コーランを踏みつけたり便所に捨てるなどのイスラム教徒への虐待が横行。０３年夏にはグアンタナモの収容者約３００人が抗議のハンストを１ヶ月以上行いました。
　ワヒトフ氏は、イスラム教地域のロシア・タタルスタン共和国出身。２１歳で伝道師となり、１９９９年初めに知人の結婚式で訪れたチェチェン共和国で武装集団に拉致され、その後脱出しました。同年９月からのロシア連邦軍のチェチェン侵攻後は、武装集団とのつながりを疑われＦＳＢに拘束されています。０４年２月にロシア政府の働きかけで、他のロシア人６人とともに帰国しましたが、同年６月までロシア当局に拘束され再び取り調べられました。
　自由を得て１年後の記者会見。ワヒトフ氏は「結婚したが、仕事はうまくいってない。体調も悪い。これ以上当局のシナリオ通りに生きるのはいやだと思い、話をした」と述べました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(赤旗　７/２付）

■“７８０万円取られた”相談次々

　弁護士や建築士らでつくる「欠陥住宅被害全国連絡協議会」は２日、関東地方などで無料電話相談「欠陥住宅・悪質リフォーム被害１１０番」をおこない、悪質リフォームに関する相談が多数寄せられました。
　２日に行われた関東地域では、６２件の相談が寄せられました。実施したリフォーム工事の必要性が疑わしいとか、金額が高額過ぎるなどの相談が目立ちました。先月末、警視庁が摘発したサムニングループのリフォーム工事の相談も７〜８件ありました。
　なかには、逮捕された２人の元サムニンイースト社員のいうままに、屋根や床下、ユニットバスなど約７８０万円もの工事をした神奈川県の７０代の夫婦から、本当に必要だったか疑問なので専門家に見てもらいたいという訴えもありました。
　１日に行われた中部地域では、全体で４６件の相談が寄せられ、８割以上にあたる３８件が悪質リフォームにかんする相談でした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(赤旗　７/３付）

■サムニングループ

　リフォーム会社「サムニングループ」による詐欺事件で、グループの子会社だった人材派遣会社が、複数の元プロ野球選手を取締役や社員にし、「広告塔」として人材を集めていたことが３日、分かった。この子会社は、球界をリストラされた選手らの第２の人生を応援するとして、複数のメディアに“美談”として取り上げられていた。
集まった人材は悪徳リフォーム契約のために働いていた。同社社員だった元選手は親会社の実態を「知らなかった」と困惑している。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(日刊スポーツ　７/４付）

■「この１５歳」を生んだ「家庭」　板橋・両親殺害
「信心が足りない」が引き金だった

　「創価学会三代」の惨劇　板橋区成増の中堅ゼネコン「佐藤工業」社員寮１階の管理人室が、轟音と共に爆発。中から管理人の永友正徳さん(４４)と妻・圭子さん(４２)の遺体が発見されたのは、６月２０日夕刻のことだ。
　捜査関係者によると、「２０日の朝、管理人室の和室で仮眠をとっていた父親の頭部を鉄アレイで強打して、首を包丁で切ったのです。買い物に出掛けていた母親が帰ってくると、今度はその包丁で母親にも切りつけ、リビングのテーブルの下や和室に逃げ込む母親を執拗に追いかけ、メッタ刺しにした。母親の両手は防御創だらけで、息子も母親の抵抗でかなり傷を受け、返り血で真っ赤になったそうです」
　血のついたＴシャツやジーパンを脱ぎ捨てた息子は、近所の薬局へ行き、包帯や消毒液を買い、自分で手当てしている。そして、証拠隠滅のために時限発火装置を作ってセットしたのだ。この後、地下鉄で池袋へ出た息子は、映画『バットマン　ビギンズ』を観てから軽井沢に行き、ホテルで１泊。翌日泊まった草津温泉の旅館で通報されたのである。
　この事件報道で欠落していたのが、事件の背景となった宗教問題である。両親は創価学会に所属する熱心な信者。父方も母方も、祖父母の代から熱心な創価学会員で、息子はその３代目だったのである。
　記者がつづける。　「校長は、“ある特定の団体と付き合いがあって、その団体の青年部(実際は高等部）に属しているようだから、どのような子だったかはその団体に聞かれた方がいいと思う”と語ったのです。その時、我々は初めて宗教問題が背後にあることに気づいたのです」
　取材にあたっている記者(前出)がいう。「実は、宗教に絡むので詳細は報じていませんが、少年は“おまえは信心が足りないから、あんなバカ学校へ行ったんだ。おまえは俺よりバカだ”と父親に罵られ、殴られているんです。普段から、一心不乱にお題目をあげないと罵られることが多かったそうですが、あまりにいろいろな仕事をさせられるので抗議したところ、頭を押さえつけられ、そう言われたそうです。それで少年はキレたのです」
　管理人の仕事で引越しの多かった一家は、どこでも熱心な学会信者として知られていた。しかし、口答えすることが、そのまま、　「信心が足りない」　になってしまうほどの理不尽には、高校生となった息子には耐えられなかったのである。
　父方の実家は都下多摩地区にある。特に、祖父(７３)は地元でも有名な学会信者だ。近所の住人によると、「お題目が始まるのは、朝８時頃からかねえ。しわがれた声で“南無妙法蓮華経”が１時間は聞こえてきますよ。夜は７時ぐらいからでしょうか。これも１時間ぐらいですね。熱心ですよ。以前、何で毎朝毎晩、お題目をあげているんですか、と聞いたら、“仏壇だ”というのです。意味が分からなかったので、何教ですか、と聞いたら“創価学会だ”と教えてくれました」
　一方、母方の実家は埼玉県下の山間部にある。知人によれば、「あの家が創価学会になったのは、古いよ。戦後すぐ東京に行って、こっちに帰ってきた時にはもう信者でした。東京から帰ってくる前にも、体格の大きな男の人を一緒に連れてきて、昼間から集落の一軒一軒に、創価学会に入るように言ってまわったことがある。当時、“学会に入らないと、あなたの旦那さんは交通事故に遭って死にますよ”とまで言われました。学会に入らなかったが、主人は今もピンピンしてますけど」
　遠縁の一人もいう。「今も１００軒ほどあるこの集落のうち、学会に入った家は２軒しかありません。田舎なんで、あの一家は嫌われちゃったわねえ。あそことのつきあいはほとんどありませんよ」　宗教とは、人間の幸福を祈るはずのものである。
しかし、その宗教に帰依しながら、一家になぜこんな悲劇が起きてしまったのだろうか。
　創価学会広報室では、「プライバシーに関わることなので、申し上げることは一切ございません」　というが、元創価学会広報部副部長の小川頼宣氏は、「私は、この少年が可哀想でならないんです。信仰心を否定されただけでなく、自分の行っている学校まで否定され、二重の否定をされてしまった。これでは立つ瀬がありません」と同情する。
　「この少年のように２世、３世というのは、親が学会員で生まれながらの信者ですから、思春期になって反発するというケースは意外に少ないんです。しかし、彼は、自分なりに仕事も手伝って、学校にも行っているのに、“信心が足りない”と全否定されている。聖教新聞を開けば、とても宗教団体とは思えないような攻撃対象への罵詈雑言が溢れていますが、これを毎日一生懸命読んでいる信者の中には、集団ヒス
テリーに近い凶暴化した意識に陥る者も出てきます。しかし、その憎悪が外に向かううちはいいですが、今回のようにそれが自分に向かってきた場合、宗教的エネルギーが逆流する瞬間もあるのです。この少年は本当にかわいそうだと思います」
　事件は起こるべくして起こったとも言えるのだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（週刊新潮　７/7号）

■
＊涼子裁判、第一回目の調停は失敗。元長老　中氏に、反省の色は見られず。
　第二回目は８/２２ですが、調停を待たず裁判を検討中、署名運動をしますとの事です。
＊顕正会への問い合わせが多い為、反サイトのリンク集を追加。
＊身内が、エホバの証人になったが、どうしたらいいか？　の相談が多い。
＊エホバの証人が脱会後、うつ病になるケースが多いが、どうしたらいいか？
＊仏教系の新興宗教に、家族がはまって困っています。
＊カルト教会・取手シオンキリスト教会（野口牧師）に、まだ友人が残っていますが、　どうしたらいいか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ＪＷＩＬ　メールより）

■
　☆去る６月２４日に、大阪クリスチャン・センターにおいて『カルト問題特別セミナー』が開催されました。テーマは、『聖神中央教会事件が引き起こした課題』で、１００人以上の牧師、クリスチャン、元カルト信者が参加しました。「カルトとは」（ジャン・ドウゲン師）、「事件後の課題」（村上密師）、「健全な信仰」（ウイリアム・ウッド師）の講演と共に、聖神中央教会の元教会員の体験談もありました。
今回のセミナーにマスコミの関係者も注目し、テレビ局、新聞社、週刊誌のの出版社から多数のレポーターが来ました。

　☆「貴様のくそいまいましい著書『エホバの証人　マインド・コントロールの実態』を読んだ。
あまりのひどさに黙っておられず手紙をやることにした。・・・貴様に真実に言っておく。これより先、貴様とその家族は、恐怖に支配されるであろう。私と私の僕たちが、常に貴様達を見張って殺す機会を狙っているからだ。アーメン。悔い改めなければ、私と私の僕は確実に貴様とその家族を殺す。・・・飲み水に気をつけるがよい。
食べ物に気をつけるがよい。道を歩く時すれちがう人々に気をつけるがよい。私がいつ、貴様のところへ行くか、貴様は決して分からない。『私は盗人のように来る』と聖書に書いてあるとおりだ。」
　この脅迫状を警察署に持って行くと、「相手が実際にあなたに危害を加えようとすることがない限り、何もできない」と言われてしまいました。
　しばらく後に、また『エホバの証人　マインド・コントロールの実態』の一部を読んだ人から、匿名で次のような手紙が来ました。「あなたの本を読みました。初めから全部読むなんて、とてもじゃないけどムリでした。だから、後書きと、『エホバの証人の方々への最後の一言』に主に話題をおきます。・・・あなたのような人がいるから、日本は、世界は苦しんでいる人であふれているのです。はっきり言って、あなたの考えは有害なのです。そしてあなたにとっても、あなたの考えは有害です。しかし、黒幕はサタンです。あなたのよく知っている、あなたのご主人様のことです。
あなたは見るからに悪いことをしているのに、気付いていない。それがかわいそうなのです。つまるところ、私はあなたに改心してほしいのです。あなたの悪も見つめてほしい。見つめて真実を知ってほしい。」
　普段から言われているようなことなので、特に気にも留めない内容でしたが、手紙の最後に書かれている言葉を見て、びっくりしました。　「ウイリアム・ウッドさんのことをかわいそうに思う一中学生より。」
　この他にも、『エホバの証人に警戒してください』などの予防チラシの配布（約７００万枚）に対しても、多数の苦情が来ました。エホバの証人だけでなく、一般人からも、「他宗教を批判することはもってのほか」と言われました。
　☆「聖神中央教会」の牧師による児童への性的虐待事件が発覚されて数週間後のことですが、ＪＥＡ（日本福音同盟）の社会委員会から、「キリスト教会におけるカルト化問題についての声明文を書いてほしい」と依頼されました。聖書信仰に立つ福音主義的プロテスタント諸教派の連合としてのＪＥＡは、今回の事件の基本的要因を明らかにし、間違った権威主義に対する悔い改めを促すべきではないか、と社会委員会のメンバーたちが考えた訳です。確かに、永田容疑者の逮捕のニュースは、日本のキリスト教界に衝撃を与えただけでなく、福音宣教の大きな妨げになりました。ですから、ダメージを最小限に押さえるためにも、声明文は不可欠なものでした。そこで、私は祈りのうちに、次の原案を作り、５月６日に、ＪＥＡの理事会に提出しました。
　「去る４月６日に、京都府八幡市の『聖神中央教会』の主管牧師、永田保容疑者が、信者の少女への婦女暴行を行ったことは、牧師はおろか、キリスト者にあるまじき振る舞いであり、深く憂えるべきことだと私たちは考えます。また、今回の事件の基本的要因が、間違った権威主義にあることを認識しています。
　永田容疑者は、『私は神の代弁者だ。神から権威を授けられている。だから、私の言うことを聞け』と、信者たちに絶対服従を要求しました。彼に従うことは、神に従うことでした。また、彼に逆らうことは、神に逆らうこととされていました。そのために、少女たちが何を要求されても、拒むことができなかったものと思われます。
しかし、教会の中に、不正な行為を要求されても、信徒が『ノー』と言えず、牧師批判が許されないような支配体制が存在することは、極めて異常な事態と言わざるを得ません。
　牧師は独裁者のように、ただ権威を振りかざすことのように信者を支配し、自分に依存させるべきではありません。むしろ、良き模範となり、しもべとして群れに仕え、聖書のみことばを忠実に伝えることにより、一人一人が神との個人的な関係を築き、自分で神のみこころをわきまえることのできる霊的な大人に育てなければなりません。
使徒パウロがエペソ人への手紙の中で述べているとおりです。
　以下の点について自己吟味をするように、牧会の働きに携わるすべてのキリスト者にお勧めします。�@自分の霊的優越性ばかりを主張していないか。『私は特別に聖霊を注がれている』、『私はあなたがたより神と近い関係にある』、『霊的な事柄に関しては、私がいちばんよく知っている』などの発言は、高慢の現われだけでなく、プロテスタント改革の柱の一つである『万民祭司』を否定するものです。
�A聖霊のみわざを待ち望む代わりに、マインド・コントロール的手法を用いていないか。
『私の言うことを聞かない人は神に裁かれる』と恐怖心を植え付けたり、圧力をかけて献金や献身を強要したり、情報統制をしたりすることは、人の心を支配するための肉的な手段に過ぎず、真の意味で神のみわざを促進するものではありません。教会形成も、福音宣教も、聖霊によってなされるべきものです（ゼカリヤ書４：６参照）
�B自分に依存する信者を育てて、正しい教育に対する勘違いをしていないか。正しい教育の目標は、自立した人間の養成にあります。すなわち、人の手を借りずに、一人で考えて判断し、責任を負うことのできる人間です。『うちの信者たちは霊的な子供だ。
彼らは、霊的親である私の助けがなければ、何も分からないし、何もできない。だから、彼らにいちいち指示を与えるのは、彼らのためだ』という発想は、真の成長を止めてしまうものです。
�C信徒の上に権力をふるっていないか。ペテロの第一の手紙にもあるように、霊的指導者は『その割り当てられている人たちを支配するのではなく、むしろ群れの模範とな』るべきです。独裁者ではなく、サーバント・リーダー（しもべ的指導者）になることです。　
『聖神中央教会』の事件が発覚したことは、『悔い改めなさい』という、神からの警告であると私たちは考えます。今こそ、自らを吟味し、教会の牧会方針や、訓練・教育プログラムの中に、カルト的なものがないかどうか、聖書から逸脱している部分がないかどうかを点検すべきです。肉的（カルト的）な手段を用いずに、聖霊に頼り、神のみわざを待ち望むことこそ、日本のリバイバルの鍵です。主の前における健全な牧会指導のあり方をお願いします。」